Kern Macro Switar 26mm f1.1 ( Cマウント )


Cマウントレンズの中で人気が高く、高価なレンズとして知られているのがKernのマクロスイターシリーズです。16mmフィルム用のH16シリーズでは、26mm f1.1、50mm f1.475mm f1.9の三種類の焦点距離が存在しており、マルチコーティングなどのバリエーションもラインナップされています。

2周回るヘリコイドとプリセット絞りが採用されている豪華な仕様で、とろけるようなボケと最短撮影距離が魅力です。


GH1 3:2

まずは最短での一枚。
移動量の多いヘリコイドのおかげでワーキングディスタンスは約13cmとかなりの接写が可能です。
接写時は被写界深度が浅く、幻想的な写りとなります。


GH1 3:2

数十センチ離れた猫を開放で。
全体的には柔らかい写りですが、拡大すると毛の一本一本まで細かく描写してくれています。

四隅の光量落ちと樽型の歪曲が目立ちますが、ファインダーを覗くと肉眼で見たものと異なる世界が広がっており、楽しく撮影することが出来ます。



GH1 3:2

遠景開放での一枚。近距離ではシビアなピント合わせが必要なレンズですが、1メートルを超えたあたりから被写界深度が急激に深くなります。全体的には柔らかい雰囲気ですが、前ボケに乱れが少ないのでパンフォーカスの様な自然な写りになります。

条件により写りの印象がずいぶん異なるレンズです。人気があるもの頷けます。



マルチコーティングタイプの個体では、黒仕上げの外観にMulticoatedの刻印が施されています。
ノーマルタイプと比べ、どのような描写の差があるのでしょうか?


Multicoated E-PL3 3:2

まずは最短開放で。
開放接写時の魅力的な描写はそのままに、色味がよりしっかりとした印象です。


Multicoated E-PL3 3:2 f4

f4に絞っての一枚。
数段絞るとさらに発色が良くなり、開放時とは全く異なる自然な描写を楽しむことができます。


中心部拡大

拡大すると花の表面の質感までしっかりと描写してくれていることがわかります。
驚きの解像力です。


Multicoated E-PL3 3:2

最後に、逆光の開放での一枚。
マルチコーティングのおかげか、太陽が写り込んでいるにも関わらずとてもクリアな描写です。

ノーマルタイプと比べレアですが、探す価値のあるレンズと言えるかもしれません。


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